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富西寺前景  st19.png
  宗派:曹洞宗(そうとうしゅう)
  名称:大宮山 富西寺(おおみやさん ふさいじ)
  住所:千葉県君津市中富292
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※各項の本文は「中富郷土史」より抜粋・加筆

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 中富の中央に位置し、東方には農地が広がり、境内の西側には樹木がうっ蒼と繁り、土地は平坦で閑静である。曹洞宗に属し富津市西川の正珊寺の末寺である。境内は三百八十二坪、本尊は阿弥陀如来である。伝えによれば寛文六年二月、正珊寺二世來中盛従大和尚による開山と云われているが、共同墓地にそれ以前の墓石が見受けられるので事実はさだかではない。

 昭和63年、第十五代住職の遷化により、平成6年より上湯江徳常寺住職の兼務となっている。

 本堂は間口七間五分、奥行五間五分と記録されているが、極めて質素な建物である。昔から寺院の建物は檀家の財力にかかわるところが大きいとされているところから、中富は耕地面積も少なく、そのうえ水害があり、副業でやっと生活してきた状況から、今まで立派な本堂が建立されたとは考えにくい。幸い火災による焼失はなかったようであるが、安政の大地震でも潰れたと思われるし、大正の震災でも潰れ、現在の本堂はその後に建立されたものである。




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 開山 来中盛従大和尚富津市西川 正珊寺二世
  二世 竹堂鳳禅 ── 三世 海津梁印 ── 四世 圓烈覺禅 ── 五世 仁峰全鱗 ──
   六世 智外全明 ── 七世 靈苗日仙 ── 八世 寛翁宜道 ── 九世中興 了宗禅達 ──
    十世 禅邦育堂 ── 十一世 靈天秀道 ── 十二世 禅海養邦 ── 十三世 英山知雄 ──
     十四世 悟宗道契 ── 十五世 大悟悌忍 ── 現住職 徹巖利行




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本尊 阿弥陀如来

 現在、富西寺の御本尊は阿弥陀如来であるが、古い文献には「本尊は観世音菩薩なり」と記載されており、どの様な経緯によって本尊が変わったのか、いつ頃誰によって製作されたものなのかは不明である。

 中富には「念仏講」があり、お盆と春秋のお彼岸、葬儀や法事等の折りに講員が集って「南無阿弥陀仏」と御名をお唱えしている。

 また、本堂須弥壇には御本尊のほかにも「薬師如来像」と「地蔵菩薩像」が安置され、それぞれ小糸作札所となっており、当たり年には御開帳が行われている。




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大草平内廟(日の宮様)

 大草平内義徳は寛永17(1640)9月2日、上総国周准郡に生まれた。「泣く子と地頭には勝てない」という昔の諺があるが、中富の地頭となった平内は、洪水によって難儀している状況を見かね、小糸川を直線にする河川改修に尽力したのである。地頭職を辞した後も改修について上司に働きかけ続けたが、元禄12年、その完成を見ることなく60歳でこの世を去った。

 改修前の小糸川は、大雨による増水で度々決壊し、田畑は水没して農作物が収穫できなかったが、河川改修によって洪水も少なくなり収穫量も増え、生活が豊かになった。中富の人々は平内の徳を慕い富西寺の境内に小祠を建て「日の宮様」として崇め、現在も「お日待ち」と称する供養が続けられている。

 この「お日待ち」は年2回、1月と11月に行われ、廟前にて読経ののち公会堂に集まり、茶碗に高々と盛られた御飯と具が沢山入ったけんちん汁をお腹一杯食べるというもので、「お陰様で…」という人々の感謝の気持ちが込められている。




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大乗妙典書写塔

 平内廟に向かって左側、「大乘妙典書寫塔」「一石一字一禮」と記された丸形の大きな石塔で、富西寺九世 中興 了宗禅達大和尚によって建立された。その由来については次のように伝えられている。

〜昔、中富村に悪疫の発生相次ぎ、患者、その家族は村人から交わりを絶たれ、果ては家族離散の憂き目を見る。為に村人病魔を怖れ、民生の不安難渋すること甚しかった。たまたま当山九世中興了宗禅達大和尚これを痛み、佛の大慈悲をもって民生を安んぜんと一大心願を起こし給い、如来の金口こんくなる法華経八巻二十八品を一石に一字を書写し、一礼して重ねつつ、ついに七萬一千八百余言の書写を完成し、加うるに観世音菩薩普門品を複書し大願を成就し給う。

 時に文政九年(1826)二月大安日、和尚七十一歳、以来法華経書写の功徳により病魔は封じられ民生の安きを得しという。村人挙りて大和尚に敬仰感謝限りなく。ここに大乘妙典書寫塔を建て、了宗禅達大和尚の大偉業を讃え、以てその聖徳を後生に傳うるものなりと。〜




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大般若波羅密多経六百巻

 この経典六百巻は12箱に各50巻ずつ収納され富西寺本堂に安置されている。今からおよそ150年前の弘化元年(1844)、檀家により寄進されたものである。全六百巻を所蔵する寺は珍しく、寺の宝として代々大切に保管されてきた。

 大般若経は、中国が唐の時代だった頃の僧、玄奘三蔵(602〜664)によって天竺インドから持ち帰られ翻訳されたもので、「正しい智慧を明らかにし、万物には固定した実体がないから執着すべきではない、一切がすべて空である」と説かれている。有名な孫悟空のお話「西遊記」は、この玄奘三蔵一行の天竺への道中記をモデルに書かれた物語である。

 富西寺では毎年2月11日、本堂に多くの檀家の人々が集まり、近隣の同宗寺院のご住職を招いて、この大般若経を転読(経典の本文読誦を省略し、経題・訳者名あるいは経典の初・中・終の要所を読むことによって全体を読むのに代えること)し、檀家各家の万福多幸と災障消除を祈祷する大般若会と、2月15日のお釈迦さまのご命日に因んだ涅槃会の法要を併せて行っている。



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曹洞宗 玉龍山 徳常寺
住所:〒299-1138
千葉県君津市上湯江980
電話:0439−55−0786

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